スポーツスタッキングとは

【スポーツスタッキングとは・・・】
 スポーツスタッキング(カップスタッキング、スピードスタッキング)とは、複数のプラスチック製カップを、決められた型に積み上げたり崩したりして、1/100秒単位でスピードを競うスポーツです。
 競技としてのルールも細かく確立されており、年齢・体力・性別を問いません。

【スポーツスタッキングの歴史】
 1985年頃にアメリカ合衆国・南カリフォルニアで、子供達が紙コップで遊んでいた事から発祥。
 1990年にテレビ番組『The Tonight Show』にカップスタッキングとして紹介され、注目される。
 コロラド州で小学校教師をしていたボブ・フォックスが、スポーツとしての教育的効果を感じ、教え子達にも紹介する。
 その広がりがテキサス州に渡った後、1998年にボブは教師を退職し、WSSA(世界スポーツスタッキング協会)・スピードスタックス社を設立、普及と振興に専念する。
 日本ではボブの実弟、ジョン・フォックスが2005年にスピードスタックスジャパンを設立。
 スポーツスタッキングは世界中に広がりを見せており、WSSA主催の公式スポーツ競技として、世界大会も開かれている。
 手先の鍛錬、反射神経や集中力、またチームでの競技をする事によって協調性が促進するとして、多数の国で学校の授業や、高齢者のリハビリ等にも取り入れられている。

【スポーツスタッキングの基本】

《利き手はどちら?》
 ほとんどの人は、髪をとかしたり、ボールを投げたり、字を書いたりする動作を利き手で行います。わざわざ反対の手で、そのような動作をチャレンジする人は少ないでしょう。

 歯磨きを慣れない手で行う事を想像してみて下さい!又は、歯磨きを両手を使って行う。その時同時に2本の歯ブラシを使ったら…想像出来ますか!?

《素晴しい人は両手利き!》
 万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチや 画家のミケランジェロは、両手で2本の筆を使いながら絵を描いたそうです。なぜならば、彼らは両手利きだったからです。そして、熟達した左右相称の人物だったのです。沢山の有名なスポーツ選手!例えば、バスケットボールのマイケルジョーダン!彼も正に両手利きなのです。でも彼らだけではなく…

《あなたも出来ますか!?》
 左右相称の技能が必要なものは他にもあります。あなたは、楽器の演奏をしますか?パソコンを使用していますか?それらの行動は、ほとんどの人は自然に両手を使っています。両手を使っている時、両方の脳も自然に使っているのです。自覚、フォーカス(焦点)、想像力、そしてリズム感など、右脳の能力の発達を促進しているのです。スポーツスタッキングは、これらのスキルの向上の手助けにもなるのです。

《両手を使おう!》
 スポーツスタッキングで一番大切な事は、両手を使う事と、左右平等に使う事です。両手を使うといっても、片手でカップをつかみ、利き手に持ち替えて置くという事ではありません。通常は、つかんでいるカップは同じ手で動かします。両手は使うけれど、絶対に両手で同じカップは持ちません。
 基本のステップと、競技の説明をします。(教える前に…全ての手順は右利きの方用に表記しております。左利きの方は左右逆にして練習して下さい。)

≪ステップ1 ・・・ 3スタック≫ 3スタックはスポーツスタッキングの一番の基本となります。

“アップスタック”
 スタックとは”積み重ねる”という意味で、アップスタックは”上に積み重ねる”という意味です。
 カップを3つ重ねた状態から始めます。右手で一番上のカップをつかみ、2個重なっているカップの右横に置き、次に左手で2番目のカップをつかみ上げ2つ並んでいるカップの上にピラミッド状に積み上げます。

“ダウンスタック”
 ダウンスタックは”下へ崩す”という意味です。
 右手で一番上のカップをつかみ、下の段の右側のカップにスライドさせながら崩します。左手で下の段の左側のカップをつかみ2個重なっている上に重ねます。そうすると最初の型に戻ります。いずれも、右手と左手をほとんど同時に動かす事で速いスタッキングが出来る様になるでしょう!

≪ステップ2 ・・・ 3-3-3スタック≫ 競技スタック
 3つ重なったカップ3セットを、スタッキングしやすい間隔に置きます。左側のカップからアップスタックします。必ず最初に戻り、左側からダウンスタックしていきます。
 *初心者…10秒台 中級者…6秒台 最速記録…3秒内

≪ステップ3 ・・・ 6スタック(3-2-1の方式)≫
 この3-2-1の方式で、6つのカップの積み上げを素早くしていきましょう!時間をかけて手の間隔を取得し、練習を重ねる事によって、とても速いスタッキングが出来るようになります!

“6アップスタック”
 カップを6つ重ねて置きます。右手で上から3つのカップをつかみ上げ、左手で次の2つのカップをつかみ上げます。その時カップは指で優しく持ち、カップの底は小指で軽く支えます。力を入れ過ぎないようにしましょう!右手のカップを1つ下に残っているカップの右横に置きます。そして左手のカップを1つ下に残っているカップの左側に置きます。次に、右手のカップを1つ1段目の真ん中と右側のカップの間に置き、左手のカップを真ん中と、左側のカップの間に置きます。最後に右手に残ったカップを3段目の中央に積み上げると3-2-1のピラミッドが出来上がります!

“6ダウンスタック”
 覚えていますか?いつもカップは優しく軽く持ち、スタッキングは力強くしないでカップを滑らせる様に扱いましょう!
 右手で1番上のカップをつかみ、左手は2段目のカップをつかみます。右側の3つ のカップを右手で斜めにスライドさせ、左側の2つのカップを左手で斜めにスライドさせ、中央のカップに重ねて6つのカップが元の型に戻ります。やり方解りましたか!?この練習を何度も繰り返しやってみましょう!

≪ステップ4 ・・・ 3-6-3スタック≫ 競技スタック
 3-6-3スタックのやり方は、今までの3スタックと6スタックのコンビネーションです。これで12個全てのカップを使用します。左側から順に3カップ6カップ3カップとアップスタックして、又元に戻り3カップ6カップ3カップの順でダウンスタックします。 ここで1つ、最初から速くやろうとせずにゆっくりと始めて下さい。一番大切な事は、軽く持ち左右の手がほとんど同時に動いて出来るようになりましょう! 3-2-1の型をきれいに… そして、友達同士でタイムを競い合ったり、あなた個人の記録をどんどん破っていきましょう! 練習を続けて下さい!
 *初心者…15秒台 中級者…7秒台 上級者…5秒内

≪ステップ5 ・・・ サイクルスタック≫ 競技スタック
 サイクルは一番複雑で、競争力のあるスタックです。やり方は3-6-3のダウンスタックまでは基本的に同じ動きですが、右側の3つは右手のみでダウンスタックし(その時左手は左側の3つのカップを待って準備すると、速く次のアップスタックが出来ます。)左側に持ってきます。両手に3つずつ持っているところで、6つのアップスタックをし、右側の6つのカップもアップスタックすると6-6のピラミッドが出来ます。
 又元に戻り左側からダウンスタックをします。右手は一番上のカップをつかみ、左手は2段目のカップをつかんで外側にダウンスタックします。左手で真ん中の1つのカップを重ねると、両手に3つずつのカップを持ったまま、右側の一番上のカップは右手を重ね、2段目の左側のカップは左手で外側に向かってダウンスタックし、真ん中のカップに重ね12個のカップになります。すぐに両手に1個ずつカップをつかみ、片手は内側にツイストしてカップを上向きに置き、もう片方の手はそのまま伏せて置きます。次に右手に5つ、左手に4つのカップをつかんだら、テーブルに1つのカップが残っています。残ったカップの右側から右、左、右と置き、4つの真ん中に左のカップを積み再度右、左3段目も右、左、最後に右手のカップを頂上に置くと、10のピラミッドの出来上がりです。
 両端のカップを置いた時と同じ形の手でつかみ、半回転し必ずタッチをしてから、ピラミッドの頂点は右手のカップに重ね、2段目の左のカップは左手のカップに重ねて同時に右斜めにダウンスタックします。右手は5つ全部つかみ、左手は上の1つだけつかんで、残り3つのピラミッドの一番上の1つは左手を重ね、右手は残った1つの上に重ねると最初の3-6-3の型に戻ります。